隣地の木の枝が、自分の敷地まで伸びてきて困っています。

あなたは、境界線を越えて伸びてきた枝については、相手方に対して、その枝を切り取るように請求することができます。そして、あなたが請求したにもかかわらず、相手方がそれに応じてくれない場合には、裁判手続により、相手方に枝の切り取りを請求することになります。いずれの場合も、切り取りに要する費用は相手方の負担となります。

気を付けていただきたいのは、あなたが勝手に枝を切り取ることはできないということです。木の枝も相手方の財産ですから、無断で切ってしまうと損害賠償を請求されるおそれがあります。

次に、枝の切り取りを請求すべき相手方は誰かということですが、これは、その樹木の所有者ということになります。必ずしも隣地の住人とは限りません。たとえば、その住人が隣地を賃借して暮らしているような場合、樹木の所有者はその住人ではなく、大家さんである可能性があります。そうなると、住人ではなく大家さんに請求しなければならなくなりますので、注意が必要です。

枝の越境とは対照的に、樹木の根が境界線を越えてきたときは、あなたはそれを切り取ることが認められています。ただし、余りたいした実害がないのにむやみに切り取ってしまうことは、権利の濫用として責任を問われる場合もあります。

枝、根のいずれの場合にせよ、お隣とのお付き合いは今後も続くのですから、はじめから法律の規定を持ち出すのではなく、まずは穏便に話し合ってみてはいかがでしょうか。どうしても話し合いがうまくいかない場合や、判断に迷う場合には、司法書士などの法律専門家にご相談されることをお勧めします。

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